2016年1月8日金曜日

厳しい局面に入った日本経済   2016.1.8

青山通り





昨晩から首都圏は寒気に覆われた。
この時期は多少寒いほうが外歩きには向いている。
昨晩は快適なウォーキングだった。



さて、じりじりと円高が進行している。
12月には1ドル120円あたりだったが、年を明けて119円、118円へと進み、昨日は117円台の時間帯もあった。
対ユーロでは12月はほぼ130円、昨日は127円である。
年明け以降、円高トレンドの感が強い。



今回の円高を説明する要因はいくつもある。
中国経済への不安、中東情勢(サウジ vs イラン)、米国企業の業績下振れ懸念だ。
世界情勢が不安定になると、日本円が安全資産だとして買い込まれ円高になるのだ。
投資家から見ると、日本は政治経済が安定した優良国なのである。



円高の進行は日本にとって、大企業業績の下振れ要因になる。
ドル建て輸出、海外事業からの配当受け取りが何もせずして減ってしまう。
1-3月業績、通年業績にプラスには働かない。
それを折り込んで、日経平均株価もじりじり落ちている。
年明け4日連続のダウンは1995年以来だという。



企業業績が落ち込むようなことがあれば、賃上げや設備投資拡大といったアベノミクスの根幹 ~「成長と分配による好循環」~が根底から崩れてしまう。
アベノミクスの果実は大企業だけで中小には行き渡らない、非正規雇用の拡大で格差が広がった、などいろいろ課題はあるが、やはり大企業業績は好調でなければならない。



円高の進行を食い止めるため、日銀の追加金融緩和という手もないわけではない。
可能性としてはあるが、ここ3年間でずっと緩和してきたから効き目があるかどうかは疑問もある。
少し厳しい局面に入ってきていることは間違いない。