2020年6月3日水曜日

鶴留くん、いずこ     2020.6.3


JR横浜線の車窓から(横浜市緑区)  撮影:6月1日




身体が消耗する暑い一日だった。
暑いとそれだけで疲れるのがわかる。
これからの季節はそれなりの覚悟が必要だ。


写真は昼間の横浜線。
朝晩は”密”が戻ってきたが、日中は車内ががらんとする。
実は、この写真の左右に乗客は座っている。
むやみにカメラを向けられないが、二人とも寝ていたので
スキをみて彼らが映らないように撮影した。
のどかな車窓を皆さんにお伝えしたかったのである。


大学一年の春。
加入した同好会に鶴留くんという珍しい苗字の同級生がいた。
緑区の中山に住んでいた。
県立川和高校出身で、ぽっちゃりした体格の男だった。
何かの折に、私を含めた同級生が中山の鶴留くんの自宅に呼ばれて訪れたことがある。


横浜線で中山駅を通過するたび、そのことを思い出す。
ただし、そのときの記憶はほとんどなく、どんな家だったのか、どうやって家まで行ったのかもまったく覚えていない。
ただ、中山の自宅に行ったことだけは確かだ。
当時、蒲田に住んでいたが、横浜線は縁遠く中山という場所も初めてだった。
鶴留くんは一年の夏合宿以降、同好会から離れ戻ることはなかった。


鶴留くんはどこかで元気にしているのだろうか。
今、仮に彼とどこかで出くわしたとしても、お互いがお互いをまったく気づけないだろう。
そんな細い縁で終わった人は数多い。
それが現実だ。
今なお飲食を共にしたり、オンライン飲み会をしたり、ぶらり多摩川ウォーキングをする関係というのは実に希少なのだ。