2017年6月10日土曜日

英国の混迷(メイ首相の戦術ミス)  2017.6.10

新横浜駅



梅雨入りしたにもかかわらず、朝からよく晴れて気持ちが良い。


青葉がほのかな風に揺らぎながら陽光に映える外を眺めていると、3年前に札幌会で敢行した函館・札幌旅行を思い出す。
今思い出してもハプニングに満ちた、実に楽しい旅であった。
皆元気に、再びかの地へ旅に出られる日を待望している。


英国の総選挙でメイ首相率いる保守党が、勢力を拡大するどころか減らしてしまうという結果となった。
EUとの離脱交渉を英国有利に行いたい思惑が外れ、難しい交渉をさらに難しくしてしまうこととなった。
これは、「戦略は良かったが戦術で失敗した事例」として欧州史に刻まれることであろう。


メイ首相の目論みが外れた原因は戦術にある。
選挙にあたって社会保障費を減額する政策を打ち出したことが保守党離れを招いた。
俗に言う”痛みを伴う改革”を選挙民は歓迎しない。
それが英国にとって必要なことであったとしても、今のタイミングでなければならなかったのか。
Brexit を自国に有利に行うことが最優先課題であったはずが、「あれもこれも」欲張ったのではないか。


国民の半分強が Brexit を望むのは、ひとえに移民が増えすぎてもともとの英国人の生活が不便になったり安全が脅かされているからだ。
一昨日の「虎ノ門ニュース」で、英国在住の谷本真由美氏とスタジオを中継で結んだやりとりを聞いた。
イングランドのある村で、東欧から大量に移民が住み着いた結果、学校の授業がまともに行えない事態などを聞くと、過ぎたる移民は国を危うくすると思わざるを得ない。


ヒューマニズムは大切だ。
しかし、自分たちの生活を守るほうがもっと大切だ。
わが国は将来の姿の選択に際して、英国の実態から学ぶことは多い。