2017年6月27日火曜日

タカタの民事再生法申請  2017.6.27

ポテトコロッケ



エアバックメーカーのタカタが民事再生法適用を申請した。
負債1兆円を超えるという。
東芝騒ぎの陰に隠れて報道の扱いも小さいが、超大型倒産である。


昔と較べれば交通事故死者数は格段と減った。
シートベルトやエアバックが寄与したことは間違いない。
ドライバーの命を守る大切な装備として定着した。
考えてみれば、昔のクルマは無防備だった。
今思ってもぞっとする。
自動ブレーキが標準装備になる時代も近いと思う。


10年くらい前になるだろうか。
米国でタカタ製エアバックが異常破裂したとの訴えが起こされたことを報道で知り、とても驚いた記憶がある。
タカタという会社名はこの時初めて知った。
しかも、エアバックにおいてはかなり高いシェアを持っており、自動車メーカーにとっても重大事と報道された。


その後、ホンダが中心となり大量リコールに応じていた。
リコール費用はタカタに代わって自動車メーカーが立て替えていたとのことだ。
ホンダの業績もこれが重荷になった期もあった。
とてつもなく大きな経営課題だったことであろう。


ホンダ、トヨタともここ数年で引当金を積んだので、タカタに対する債権放棄が業績に与える影響は小さいという。
かつて銀行が行った不良債権処理を、こつこつ進めていたのだ。
さすがはホンダ、トヨタである。


この案件は安全に関与する事業の持つリスクを明示した。
クルマは数万点の部品から構成されている。
我々には知らされることがないが、食品メーカーはリスク対策に長年のノウハウ蓄積があると思う。
また、基幹部品を1社に依存するリスクも多くの企業が再チェックしているに違いない。