2016年3月28日月曜日

ルールの外にあるスポーツ文化 ~白鵬の「立ち合い変化」に思う~  2016.3.28

秩父宮ラグビー場





どんよりと曇った朝。
春によくある典型的な天候である。
しかもまだ少し寒い。
あとひと月の我慢だ。
陽光に新緑が映える季節を迎えることができる。



昨日は大相撲春場所の千秋楽。
結びの一番(白鵬-日馬富士)にがっかりさせられた相撲ファンは多いだろう。
立ち合いで白鵬が「変化」し、日馬富士がそのまま土俵外へ落ちていって終了。
優勝の行方を決める一番、しかも横綱対決、しかも千秋楽結びの一番だったから観客が荒れるのも当然だ。



大リーグには大量得点でリードしている場合、勝っているチームが盗塁や送りバントなどはしないという文化があると聞いた。
ルールで禁止している訳ではないが、長年の間に築き上げられた文化だ。
昨日の取組に対するファンの不満もそれで説明がつく。




白鵬の栃煌山に対する猫だましが物議を醸したことがあった。
私はよくぞやってくれたと面白がったが、故・北の湖理事長はぼろくそに批判した。
横綱にはやってはいけない掟みたいなものがある。
横綱は奇策をせず堂々とした戦いをするべし、という相撲文化が日本にはあるのだ。
白鵬は昨日、再びそこを犯したから観客はブーイングを浴びせた。
表彰式を見ないでさっさと帰る客もかなりいたし、解説の舞の海によれば「放送できないけど、かなり激しいヤジが聞こえた」そうだ。



白鵬はルールの外にある相撲文化は尊重したほうがいい。
猫だましの一件に続いて白鵬はそのことを痛感していると思う。